新型コロナウイルスに振り回された1年間でした。
その様な状況にあっても、皆さんはきちんと対応して乗り越えてくれました。オンライン授業、クラブ活動の制限、行事の中止等、授業以外で心身の成長に重要な教育を受けることができずに、大きなストレスであったと思います。
その様な中で、実施いたしました高校2年生の修学旅行では、生徒の旅行委員が主体的に準備をし、自分を犠牲にしてでも、他の生徒の修学旅行を充実させようとする行動には、心より感謝しております。生徒が主体的に取り組む新しい修学旅行の形を作ってくれたものと、頼もしくも思っております。
また、中学2年のスキー実習においても、黙食等のルールの徹底、集団行動への協力など、皆さんの行動が素晴らしかったとの報告を受けています。高校1年生については、校外学習がさらに延期となり申し訳ありませんでした。皆さんは中学の修学旅行が中止となった学年であり、さぞかし辛い思いをしている事でしょう。何らかの対応策を検討していきたいと思っています。
中学1年生は、昨日の成績会議において、学年の先生方から日ごとに前向きに努力できるように成長しているという報告があり、大変期待感を持っています。
先日、探究コースの発表会を拝見しました。先輩達の伝統を引き継ぎ、興味深い探究を実践し、成し遂げようとする意欲に満ちたものでした。本校の探究コースがしっかりと根付いてきているように思います。
長引くコロナ禍においても、在校生の皆さんの前向きな姿勢と成長が目立つ1年間であったと思っています。これも、皆さんの協力の賜物であり、深く感謝しております。
司馬遼太郎の「坂の上の雲」には、激動の明治時代に自分の為すべきことを求めた3名の若者の姿が描かれています。長い坂の上に見える青い雲、そしてそこに浮かんでいる白い雲を、自分の理想・志と見立てて、それを掴むために懸命に坂を上る。しかし、雲はなかなか掴むことはできません。それでも、諦めずにまた努力をする。このようなことは、今の時代にも通じるものではないでしょうか。
本校の校歌に、筑波の高嶺を軒端に仰ぎ、進みて弛まぬ健児の歩み、高き理想、輝く希望、いざや登らん嶺の極みとあります。まさに「坂の上の雲」と同じことを示しています。皆さん、来年度に向けて、さらにモチベーションを高め、更なる高みを目指して頑張りましょう。
令和4年3月24日
学校長 井上 実