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新型コロナウィルス感染症が蔓延する中、その感染防止対策のために、このように制限を設けての入学式の挙行となりましたことを心よりお詫び申し上げます。

只今、入学を許可されました中学186名、高校274名の新入生のみなさん、ご入学おめでとうございます。希望にあふれて本日を迎えたことと思います。これから始まる足立学園での生活は、皆さんの一生にとってかけがえのないものになると思います。私たち教職員一同、皆さんの入学を心より歓迎し、皆さんの成長をお手伝いしていきたいと思っています。

さて、「山は樹を以て茂り、国は人を以て盛んなり」という言葉があります。山に樹が茂るように、国は人で栄える。という意味です。国を学校に置き換えると「学校は生徒を以て盛んなり」となるでしょう。つまり生徒が主体であり、生徒一人一人の学ぶ姿勢が学校を創り、社会を創っていくということです。
足立学園は教育目標「自ら学び 心ゆたかに たくましく」を掲げて日々教育活動に取り組んでいます。これを一言で言うと「育てるのではなく、自ら育つ人をつくる」という意味です。では、そのような人財はどのようにすれば生まれ出るのでしょうか。

AIが台頭する近未来に、人間としての真の生きがいとは何か、人間ならではの活躍とはどのような事なのかが問われています。私は日頃より在校生に「夢なき者に成功なし」という言葉を発しています。皆さんにも、説明会等で何度もお伝えしてきたと思いますが、ここで言う「夢」とは自分本位の個人の幸せを指すものではありません。その夢の為に自分の人生を使い切る覚悟を持った夢、すなわち「志」のことなのです。
無医村の人々の為に医者になって貢献したいというような、例え小さな事でも、世のため人のために自分に何が出来るのかを徹底的に考え、その達成のために自分を磨き切ることが大切です。
学びの目的は本来、社会貢献、人類貢献にあると思います。常に利他の気持ちをもって努力することで、他者からも認められ協力を得られます。そして、学びにはこうすれば良いというような正解はありません。正解を探して右往左往するのではなく、決めたことを徹底的にやり切ることで、答えが出てくるのです。つまり、答えは自分で作り上げていくということです。

志を実現するためにはまず、基礎学力の定着を目指して下さい。基礎学力なくして何も生み出すことはできません。
次に、授業において、常に「深い学び」を意識し、思考力を鍛えていかなければなりません。入学してから卒業するまでの時期は、人生の中で最も成長できる時期です。この時期に得た学力は一生の宝だと思います。日々の授業を大切にし、能動的に取り組んで下さい。

また、学力だけではなく「確かな人間力を培う」ということも重要です。本校には、いろいろな地域から生徒が通学してきます。生活習慣や文化に違いがあるかもしれません。相手を理解し思いやりをもつことが重要です。これは、利他の精神、志をもつ上で最も重要な資質となります。他人のために何ができるかを考えることが「志」の基本であり、自分自身の成長へと繋がるのです。自分を大切に、人を大切に、自分に厳しく人に温かく、皆が力を合わせ自信・誇り・気概をもって前進してほしいと願っています。

本校は今年で創立93年目となります。その伝統の上に入学した生徒として、やればできるという自信、自分は尊い存在であるという自尊心、これだけのことをやったんだという自負心、自分は認められるべき存在であるという自己肯定感をもって、何事にも挑戦していって下さい。失敗が人を育てます。失敗を恐れず、果敢に挑戦していくことが成功の秘訣であると確信しています。

保護者の皆様、本日はお忙しい中、入学式にご参加いただきありがとうございます。皆様の本日までのご苦労に対し、教職員一同心より敬意を表し、お祝い申し上げます。
また、本日より私達教職員一同は、ご子息の成長に全力をあげてサポートしてまいります。ご家庭にあっては本校の教育方針にご理解をいただき、学校とご家庭が協力してご子息の成長を果たしていきたいと考えておりますので、ご協力いただけますよう、よろしくお願い申し上げます。

結びとなりますが、
「夢なき者に成功なし。志を立てて挑戦せよ」
どんな時でもどこでも、自分で考え自らの力で歩んでいく「主役」となれとエールを送り、本日入学した新入生の皆さんの今後の健闘を祈って式辞といたします。

                  令和3年4月8日

足立学園中学校・高等学校

校長 井上 実