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3学期の修了式ということで、この1年間を振り返ってみると、何と言っても新型コロナウィルスに翻弄された1年間でした。
教育上重要な学校行事はことごとく中止となり、授業やクラブ活動なども多大な制約を受けて、その影響は計り知れません。特に3学期には、3か月のターム留学、そして高校生活最大の行事とも言える修学旅行が中止となり、2年生はさぞかし辛い思いをしたことと、お察しいたします。

しかし、そのような中、皆さんは各学年において、行事の代替え案を生徒主体となって考え実行してくれました。

高校1年生は、各クラスにおいて真剣な議論を重ね、校外学習の代わりとして日帰りの小旅行を計画し、案をまとめてくれましたが、緊急事態宣言の延長により、急遽スポーツ大会に変更するという判断を下し、実行してくれました。
また、高校2年生は修学旅行の代替えについて、生徒の旅行委員が主体となり、各クラスと折衝し代替え案を決めて、現在実施している状態です。
与えられた事を、ただ行うのではなく、自分たちで決め、感染対策を十分に配慮して、クラスの思い出を作ろうとする試みは賞賛に値します。

その他にも、弁論大会を生徒の弁論委員が中心となり、企画運営し、オンラインを駆使して今までにない形を作り上げてくれました。

私は、コロナ禍において本校の生徒達が立派に成長していると感激しました。これからの社会において必要とされる力は、まさにその様な問題解決力です。
今後の修学旅行や、その他の行事の在り方を改善する大きな一歩となったと思っています。
あらためて本校の生徒の皆さんのポテンシャルの高さを実感いたしました。

これからの世の中に必要な力とはどの様な力でしょうか。
コロナ禍において自分の報酬や感染リスクを顧みず、患者のためにひたすらに対処している医療従事者の皆さん、危険を顧みずにゴミを収集してくれる人々、皆「忘己利他」の精神そのものです。
世のため人のためにという言葉がありますが、人々が国をつくり、世界をつくっていくのですから、人々のために何かを成そうと思う心が大切です。
「学び」の目的は、本来人類貢献、社会貢献にあります。
自分が学んだ知識や技能、人間力をいかにして他者のために役立てられるかということです。
ベクトルを外に向けることが重要です。
一連の皆さんの行動を見て、皆さんならその様な人財へと成長できると確信しています。

来年度、この状況が改善されているかどうかは判りませんが、皆さんがより主体的に積極的に取り組んでいただけるよう、心より期待しています。

まだまだ感染状況が読めませんので、4月からの始業時間については4月3日にラインネットで配信します。
春休み中の学習活動やクラブ活動等において、健康には十分に注意して元気な姿で再会できることを祈っています。

令和3年3月24日
校長 井上 実