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桜の花も本日を待って満開となり、新入生の皆さんを華やかに、そして力強く祝福してくれるこの良き日に、初鹿野理事長先生を始め学園役員の先生方、同窓会・PTA会長様、多数の保護者、ご家族の皆様方のご臨席を賜り、このように盛大に入学式を挙行することができましたことを心より感謝申し上げます。

ただ今入学を許可されました360名の新入生のみなさん入学おめでとうございます。希望にあふれて本日を迎えたことと思います。これから始まる足立学園での生活は、皆さんの一生にとってかけがえのないものになると思います。私たち教職員一同、皆さんの入学を心より歓迎し、皆さんの成長をお手伝いしてまいります。

さて、皆さんは中学校時代に、新型コロナウイルスの蔓延により緊急事態宣言が発出され、今までの生活様式が一変され、学校も分散登校、休校、オンライン授業となり、人間的な成長をきたすはずの学校行事も中止、または縮小しての実施となってしまったことでしょう。しかしながら、その様な困難な状況の中で、様々な変化に適応し、一生懸命に努力し、見事にその成果をあげて、本日を迎えました。その努力に対して心より「入学、おめでとう」と言わせていただきます。

自分の歩んできた道を振り返ってみると、成功したこと、失敗してしまったこと、嬉しかったこと、辛かったこと等、様々なことを経験してきていると思いますが、その一つ一つに意味があり、現在の自分を創っています。そして、その道の傍らには、常にご両親やご家族が寄り添い、皆さんの高校受験を影となり陽向となって支え、あるいは学校生活が円滑に進むように全力でサポートをし、皆さんの将来の幸せのみを願って共に歩んでくれたご両親、ご家族に最大限の感謝の気持ちを持ってください。感謝の気持ちを持つことは、自分の心を育て、考え方や行動が変わり、他者からも感謝されるように導いてくれます。それこそが志を持つことの原点であると言えます。そして、未来に目を向ければ、山のはるかなる頂に、おぼろげに見える自分の目標、志に向かって、一歩一歩着実に歩んで行くことが大切です。日々を大切にして、ただ目標だけを見据えて歩んで行くことで出会うこれからの様々な経験が、揺るぎない自分の構築に繋がっていきます。入学を機に、さらに一歩成長した考えをもてるようになってほしいと願っています。

「山は樹を以て茂り、国は人を以て盛んなり」という言葉があります。山に樹が茂るように、国は人で栄える。という意味です。国を学校に置き換えると「学校は生徒を以て盛んなり」となるでしょう。つまり生徒が主体であり、生徒一人一人の学ぶ姿勢が学校を作っていくということです。足立学園は教育目標「自ら学び 心ゆたかに たくましく」を掲げて日々教育活動に取り組んでいます。これを一言で言うと「育てるのではなく、自ら育つ人をつくる」という意味です。では、そのような人材はどのようにすれば生まれるのでしょうか。

台湾地震、能登半島地震などの災害、世界に広がる紛争、このような予測不能な近未来に、人間としての真の生きがいとは何か、人間ならではの活躍とはどのような事なのかが問われています。私は日頃より在校生に「夢なき者に成功なし」という言葉を発しています。ここで言う「夢」とは自分本位の個人の幸せを指すものではありません。その夢の為に自分の人生を使い切る覚悟を持った夢、すなわち「志」のことなのです。例え小さな事でも、世のため人のために自分に何が出来るのかを徹底的に考え、その達成のために自分を磨き切ることが大切です。
日々の学校生活を大切にし、何事に対しても積極的に、主体的に取り組んでください。自分の「志」の実現のために、また、いまだ「志」が見つからないのであれば、それと出会った時のために、今を大切にして、日々の授業、行事、生活を真剣に取り組んでいくことが重要です。高校時代は、人生の中で最も成長できる時期です。この時期に得た力は一生の宝になると思います。

また、学校は「様々な人間と関わることで、社会における自分の在り方」を学ぶ場所でもあります。人間は一人では何も為し得ません。多様な人々と関わることでそれぞれの役割が生まれ、社会が構成されていきます。相手の立場に立って考え、行動し、相手を尊重し、互いに協力していくことが大切です。他人のために何ができるかを考えることが「志」の基本であり、「思いやり」の心なくして人類貢献・社会貢献は考えられません。自分を大切に、人を大切に、自分に厳しく人に温かく皆が力を合わせ、自信・誇り・気概をもって歩んでいってほしいと願っています。

保護者の皆様、本日はお忙しい中、入学式にご参加いただきありがとうございます。皆様の本日までのご苦労に対し、教職員一同心より敬意を表し、お祝い申し上げます。また、本日より私達教職員一同は、ご子息の成長に全力をあげてサポートしてまいります。ご家庭にあっては本校の教育方針にご理解をいただき、学校とご家庭が協力してご子息の成長を果たしていくことが大切であると考えております。何卒、ご協力を賜りますよう、よろしくお願いします。

結びとなりますが、学校とは、思い切って失敗できる場所です。失敗を恐れず、大いに挑戦していってください。
本日入学した新入生の皆さんの今後の健闘を祈って式辞といたします。

令和6年4月8日 
 足立学園高等学校
   校長 井上 実