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まず、コロナウイルス対策の影響で多大な制約のもとでの第72回卒業証書授与式の挙行となりましたことを、心よりお詫び申し上げます。卒業生の皆さんにとりましては、この晴れの日に在校生の見送りもなく、さぞかし寂しい思いをされていることと思います。また、保護者の皆様方、感染予防とはいえ、各家庭1名という制限をさせていただき、誠に申し訳ございません。さらには、1年間、謝恩会の準備に取り組んでいただきました卒業対策委員の皆様方には、謝恩会を中止せざるを得なくなりましたことに、心よりお詫び申し上げますと同時に、そのご苦労に対し深く御礼申し上げます。また、この様な時にこそと、本日ご参加いただきました初鹿野理事長をはじめとする学園役員の先生方、同窓会・PTA役員の皆様方には深く御礼申し上げます。
さて、ただ今卒業証書を授与いたしました289名の卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。今、新しい世界に足を踏み出そうとする皆さんの心の中には、この3年間の色々な思い出が去就していることと思います。1年次の喜多方農業体験、2年次の修学旅行、3年次の体育祭での団結の強さなど、学業やクラブ活動だけではなく数々の経験を積み人間力を培ってきたことと思います。そうした力の大きさは時間がたつにつれて実感できると思います。
教育改革を求められる中、その先駆者として皆さんには数々の変更をお願いし、多大なご迷惑をおかけしたことを、心よりお詫び申し上げます。しかしながら、皆さんはその一つ一つを着実に実践し、後輩たちの道標となり、道筋を切り拓いてくれました。その実績に対し心より称賛の意を表したいと思います。
私は日頃より皆さんに「夢亡き者に成功なし」と吉田松陰の言葉をかりて伝えています。この場合の「夢」とは単に自分の幸せのみを求める夢ではありません。例え小さな事であろうとも、世のため人のためにという思いを持ち、その夢の達成のために自分の人生をかける覚悟をもった夢、すなわち「志」の事なのです。しかし志はたてただけでは実現できません。人生には求めたものだけが手に入るという法則があります。言い換えれば、人の心の持ち方や求めるものが、そのままその人の人生を現実に形作っていくのであり、事を成そうと思ったら、まずこうありたい、こうあるべきだと思うこと。それも誰よりも強く、身が焦げる程の熱意をもって、そうありたいと願望することが、達成にむけての努力に繋がっていくのだと思います。本校の建学の精神である有為敢闘とはまさに、そういう意味なのです。困難や試練に対し果敢に挑戦してくことで、その経験は、必ず皆さんの「思考」「感性」「勇気」を磨き、これからの人生に大きな力となることを確信しています。
また、皆さんは本日この瞬間より、足立学園同窓会の一員として、生涯の友として生きていくことになります。いかなる試練や困難に出会っても、その苦しみを分かち合い、勇気と希望を与えてくれる友がいます。互いに尊敬しあい、助け合い太くて長い絆を構築していってください。
保護者の皆様方、ご子息のご卒業を心よりお祝い申し上げます。皆様方にはこの3年間、あるいは6年間、本校の教育活動にご理解とご支援を賜り、誠にありがとうございました。厚く御礼申し上げます。
結びとなりますがもう一度、「夢亡き者に成功なし、志をたてて挑戦せよ 足立健児よ」
とエールを送り、卒業生の未来に幸多からんことを祈念し、式辞とさせていただきます。

令和2年3月7日
足立学園高等学校
校長 井上 実