新着情報

news

みなさん1学期お疲れ様でした。

いろいろと自分の中で、辛いことがあったでしょうし、嬉しいこともあったと思いますが、それぞれ乗り越えていかなければいけないことですので、しっかりと受け止めてください。

そんな中、成績会議での報告を聞いていると、中学3年生の外部模試の成績が着々と伸びてているとか、高校3年生は部活動を一生懸命やってやりきって、切り替えができ始めてきているというような、良いお話がたくさん私の耳に入ってきました。
上級生がそのように学園を引っ張っていってくれることが何よりだと思いますので、これを機にさらなる発展を遂げていただけたらと思います。

特に高校3年生は、これから大学進学の準備に向かっていくわけですが、全校を挙げてそれを支え、高校3年生の成功をしっかりとアシストできたらと私たちは思っています。
夏休み、長いようで短い1ヶ月になりますが、頑張ってください。

さて、私から今日皆さんにお伝えしたいことは、

「径寸十枚これ国宝に非ず、一隅を照らす、これ則ち国宝なり」という言葉です。
径寸というのは直径が一寸の財宝で、これがが十枚あっても国の宝とは言えない。むしろ一隅を照らす人々、仕事を一生懸命し、自分のできることをコツコツコツコツと一生懸命やり、ほんの少しのスペースを明かりで照らすことができる人、輸送業なら輸送業、農業なら農業、工業なら工業を、ただひたすらしっかりとやりきることのできる人、これが国の宝なんだ、という意味です。
「一燈照隅万燈照国(いっとうしょうぐうばんとうしょうこく)」
そのひとつの光が一隅を照らすと、それが万人十万人百万人に増えていけば、国全体を照らすことになるんだ、そういう話です。

これは、天台宗の宗祖といわれる最澄の述べた言葉です。私はこの言葉が大好きで、常日頃、自分が一隅を照らす人間でありたいと思いながら生きていかなければいけないなと思っています。

そんな一隅を照らすを表している詩があります。

風の中のすばる 砂の中の銀河
みんな何処へ行った 見送られることもなく

草原のペガサス 街角のヴィーナス
みんな何処へ行った 見守られることもなく

地上にある星を誰も覚えていない
人は空ばかり見てる

つばめよ高い空から教えてよ地上の星を
つばめよ地上の星は今 何処にあるのだろう

崖に上のジュピター 水底のシリウス
みんな何処へ行った 見守られることもなく

名立たるものを追って 輝くものを追って
人は氷ばかり掴む

中島みゆきさんの詩です。

つまり、そこらにいる一所懸命働いている人に目を向けると、
人の安全を考え、バスの運転を極めている人、
何かの大きなもののちょっとした材料を日々作り上げている人、
農業をしっかりとやって品種改良に努めて、少しでも多くの食糧を生産しようと努力している人たち、
こういう人たちがたくさん集まれば国は栄えます。

「志」という言葉を常に述べていますが、それはそういうことです。

天上に輝く光を求めてそれをつかもうしろと言っているのではなく、地上でしっかりと働き、しっかりと人の役に立ち、しっかりと貢献していける人間になってほしい、というのが、私の言う「志」です。

高校3年生は大学進学を目指していると思いますが、将来そうした人間になれるような進路をしっかりと求めてほしいと思います。
足立学園の建学の精神、有為敢闘とはそういうことなのです。「一隅を照らす」そうした人材になれということなのです。

足立学園全体がそういう気持ちで2学期を迎えられるように、私は是非皆さんに、心構えを持ってもらいたいと思っています。

昨日今日と暑くなってまいりました。みなさんの大事な健康が損なわれないように、そして夏休みさらなる成長を遂げて9月に戻って来てくれるように心から祈っています。

健康を害さないように気を付け、自分の成長を見つめてきてください。

令和元年7月20日
校長 井上 実