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日増しに暖かさが増す今日の良き日に、初鹿野理事長先生を始め学園役員の先生方、同窓会・PTA役員の方々、多数の保護者、ご家族の皆様方にご臨席を賜り、このように盛大に入学式を挙行することができましたことを心より感謝申し上げます。

新入生のみなさん 入学おめでとうございます。希望にあふれて本日を迎えたことと思います。これから始まる足立学園での生活は、皆さんの一生にとってかけがえのないものになると思います。私たち教職員一同、皆さんの入学を心より歓迎し、皆さんの成長をお手伝いしていきたいと願っています。

さて、「山は樹を以て茂り、国は人を以て盛んなり」という言葉があります。山に樹が茂るように、国は人で栄える。という意味です。国を学校に置き換えると「学校は生徒を以て盛んなり」となるでしょう。つまり生徒が主体であり、生徒一人一人の学ぶ姿勢が学校を作っていくということです。
足立学園は教育目標「自ら学び 心ゆたかに たくましく」を掲げて日々教育活動に取り組んでいます。これを一言で言うと「育てるのではなく、自ら育つ人をつくる」という意味です。では、そのような人材はどのようにすれば生まれるのでしょうか。

AIが台頭する近未来に、人間としての真の生きがいとは何か、人間ならではの活躍とはどのような事なのかが問われています。私は日頃より在校生に「夢なき者に成功なし」という言葉を発しています。皆さんにも、説明会等で何度もお伝えしていたと思いますが、ここで言う「夢」とは自分本位の個人の幸せを指すものではありません。その夢の為に自分の人生を使い切る覚悟を持った夢、すなわち「志」のことなのです。無医村の人々の為に医者になって貢献したいというような、例え小さな事でも、世のため人のために自分に何が出来るのかを徹底的に考え、その達成のために自分を磨き切ることが大切です。その為には、まず、基礎学力の定着を目指して下さい。基礎学力なくして何も生み出すことはできません。次に、授業において、常に「深い学び」を意識し、思考力を鍛えていかなければなりません。入学してから卒業するまでの時期は、人生の中で最も成長できる時期です。この時期に得た学力は一生の宝だと思います。日々の授業を大切にし、先生方の指導をしっかり受け止めてください。

また、学力だけではなく「確かな人間力を培う」ということも重要です。本校には、いろいろな地域から生徒が通学してきます。生活習慣や文化に違いがあるかもしれません。相手が自分と違うからといって、からかったり、いじめたりすることがあるようでは、自分が愚かになるだけです。相手の立場に立って考え、行動し、相手を尊重し、互いに協力していけることはとても大事なことです。一生涯付き合える友人が得られるように努力して下さい。さらに人間は一人では生きていけません。みんなと協同して支えあって生きていくものです。他人のために何ができるかを考えることが「志」の基本であり、自分自身の成長へと繋がるのです。そのような人生を歩んでほしいと願っています。
中学生は5月の初めに33㎞の強歩大会があります。縦割りの班を中心に助け合ってゴールに向かいます。その時築く絆は一生の宝だと思います。高校生については、中入生が福島県の喜多方で農作業と農泊を体験し、日本の農業が抱えている問題と農業にかかわる喜びを直接体験します。高入生は磐梯高原において、震災講話と五色沼のトレッキングを通じてクラスの仲間づくりに取り組む行事が控えています。こうした行事は日頃教室では学ぶことのできない貴重な体験です。是非とも皆さんが積極的に受け止めて自らの成長の糧にしてください。

本校は今年、創立90周年を迎えます。その節目の年に入学した生徒として、やればできるという自信、自分は尊い存在であるという自尊心、これだけのことをやったんだという自負心、自分は認められるべき存在であるという自己肯定感をもって、何事にも挑戦していって下さい。失敗が人を育てます。失敗を恐れず、果敢に挑戦していくことが成功の秘訣であると確信しています。

保護者のみなさん、本日はお忙しい中、入学式にご参加いただきありがとうございます。皆様の本日までのご苦労に対し、教職員一同心より敬意を表し、心よりお祝い申し上げます。また、本日より私達教職員一同は、ご子息の成長に全力をあげてサポートしてまいります。ご家庭にあっては本校の教育方針にご理解をいただき、学校と家庭が協力してご子息の成長を果たしていきたいと考えておりますので、ご協力をよろしくお願いします。

結びとなりますが、
「夢なき者に成功なし 志を立てて挑戦せよ」とエールを送り、本日入学した新入生の皆さんの今後の健闘を祈って式辞といたします。

                  平成31年4月8日

足立学園中学校・高等学校

校長 井上 実