校長ブログ

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10月27日より東京モーターショーが始まりました。2年に1回のモーターショーは日本の主力産業である自動車の未来に夢を抱かせてくれます。某新聞には8ページを使って国内外7社の広告特集を載せていました。私の独断的な指標に基づけば、一つはデザイン。未来の自動車を思わせる魅力を持っているメーカーはどこか。二つ目はCO2 排出量0に向けての取り組み。当然ながらエンジンからモーターへの時代。三つ目はAI技術の進化。あるメーカーの表現を借りれば、「ドライバーの表情や動作から疲れを感知したら運転を代ってくれる」技術は、もう目の前まで来ているようです。消費者としての立場からすればこれらの指標に合致したメーカーはどこなのかを考えます。

教育はどうでしょうか?これまでのように知識・技能に重点を置いてきた時代は大した変化も必要なかったかもしれません。しかし、新しい学習指導要領、新しい大学入試問題改革は着実に進められていきます。学校教育法にも「学力の3要素」として書かれているように、思考力・判断力・表現力をつけていかなければ、これからの未来社会では充分に仕事のできる社会人として認められなくなってくる可能性があります。

これからの時代が少子・高齢化が進み、日本人の消費力は落ちていきます。一方、AI技術の進歩により、今ある多くの職業が消えてなくなっていく時代とも言われています。新しい時代の変化にしなやかにたくましく対応していける力、困難な課題に真っ向から挑戦していける能力を育んでいくことが、これからの教育に課せられています。単なる知識や技術の習得だけならば、有名な先生が行う授業を動画で配信して学べばいいし、共通したわからないところはAIが丁寧に説明してくれる、そんな時代が近いうちに訪れるのではないでしょうか。しかし、自ら課題を発見し、情報の収集・整理・分析、協働により自分の考えをまとめて発表する力は、困難に打ち勝てる力はAIでもできないことだろうと思います。だからこそ私たちはいち早く「探究コース」を新設し、このような課題に挑戦していこうと考えています。30年度から本校が目指す教育改革の中心は「探究総合」の授業。すでに30年度の前半のシラバスは完成しました。具体的には、①A4の紙2枚を与えて3階から生卵を落とした時に割れない方法、②次の紙幣の肖像画は誰になるか、をテーマに考えています。その他にも、③次の元号の研究等もあっていいかもしれません。生徒の協力も得て、11月22日(水)には「探究総合」の研究授業を実施し、校内研修会も進めていきます。

さらに、国際感覚を養い、グローバルな人材の育成も大事な課題です。30年度の3学期に3か月の短期留学をカナダで実施します。ホームステイをしながら、現地の高校に通い、国際感覚を養います。留学に参加した生徒はこの期間に日本では味わえない多くのものを学んで来ますが、希望者対象なので、留学中に本校で学ぶはずだった教科の内容については必要に応じて帰国後補修等で補填をします。留学については来年1月に現地視察に行ってきます。

今年度に入ってから2校に、本校の授業改革を視察に来ていただきました。11月中旬にはもう1校、九州から視察に来ていただきます。まだまだ不充分な点は多々ありますが、本学園は進取の気性を持って、学習指導要領を先取りした教育を展開し、時代のニーズに応えられる改革を進めてまいります。